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第6回もりの里健康講座 そのコレステロール、放っておいて大丈夫?|脂質異常症と動脈硬化の話

みなさん、こんにちは。副院長の船﨑 友馨(ふなさき ゆうか)です(^^)/

8月31日を迎え、もうすぐ秋の足音が聞こえてくる頃ですね。

ようやく夏が終わって「本調子!」という方もいれば、夏が終わるのが惜しくてなんだかさみしいという方もいらっしゃるでしょうか?

2026年8月22日が「そのコレステロール、放っておいて大丈夫?〜脂質異常症と動脈硬化の関係〜」をテーマに、第6回もりの里健康講座を開催しました。健康診断で「LDLコレステロールが高いですね」と言われたことはありませんか? 今回は、講座の内容をブログでも振り返ります。

➡「もりのさと健康講座について」 

コレステロールは「悪者」なのか?

コレステロールと聞くと、体に悪いものというイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし実際には、コレステロールは細胞膜やホルモン、消化を助ける胆汁酸の材料となる、体に欠かせない物質です。まったくのゼロでは、私たちは生きていけません。

問題なのは、コレステロールそのものではなく「多すぎること」。血液中に過剰なコレステロールが溢れた状態が長く続くと、血管に少しずつダメージが蓄積していきます。

LDLとHDL、2つの「運び屋」

コレステロールは血液の中を、リポ蛋白という運び屋に乗って移動します。代表が、LDL(悪玉)とHDL(善玉)です。

  • LDL(悪玉):肝臓から全身へコレステロールを運びます。多すぎると血管の壁にたまってしまうのがリスクです。
  • HDL(善玉):全身から余ったコレステロールを回収し、肝臓へ戻します。少なすぎると回収が追いつきません。

つまり、LDLが多く、HDLが少ない状態が続くと、血管に脂がたまりやすくなるのです。

こわいのは「症状がない」こと

脂質異常症の最大の特徴は、初期にはほとんど自覚症状がないことです。「痛くも痒くもない」ため、つい放置されがちです。しかし、症状がない水面下で、血管の中では確実に変化が進んでいます。健康診断の数値は、その静かな変化を知らせてくれる大切なサインなのです。

健診でチェックしたいのは、動脈硬化リスクの中心となるLDL-C、回収力を示すHDL-C、中性脂肪のTG、そしてLDL以外も含めた総合的なリスクを示すnon-HDL-Cの4つです。

血管の中で起きている3つのステージ

動脈硬化は、次の3段階で静かに進行します。

  1. STAGE1:侵入 — 血液中に溢れた過剰なLDLが、血管の壁の中に入り込み、たまり始めます。
  2. STAGE2:炎症 — 壁に入ったLDLが酸化し、それを異物とみなした免疫細胞(マクロファージ)が処理しようと集まります。脂を抱え込んだ細胞が壁にたまり、やがて「プラーク」というドロドロした脂のかたまりができます。
  3. STAGE3:破綻と血栓 — 膨らんだプラークが破れると、修復のために急いで血栓(血のかたまり)ができ、血管を詰まらせます。心臓の血管が詰まれば狭心症・心筋梗塞、脳の血管が詰まれば脳梗塞につながります。

「コレステロールが高い」→「血管が傷む」→「心筋梗塞・脳梗塞」という一本の道筋が、ここにあります。

大切なのは「LDL×時間」という考え方

動脈硬化は、ある日突然起こるわけではありません。血管への負担は、20代、30代……と何年もかけて少しずつ積み重なっていきます。

だからこそ重要なのは、「今の数値」だけでなく、これまでどれくらいの期間、血管がLDLにさらされてきたかという視点です。これを「LDL×時間(累積曝露)」と呼びます。早いうちから対策を始めるほど、血管を守る効果は大きくなります。

背景にある「内臓脂肪」に注目

脂質異常症は、単独で起こるとは限りません。その背景には、しばしば内臓脂肪の蓄積があります。内臓脂肪はドミノ倒しのように、脂質異常症・高血圧・高血糖(糖尿病)・脂肪肝といった全身の代謝異常を引き起こし、血管へのダメージを加速させます。ひとつの数字だけを見るのではなく、体全体のリスクとして捉えることが大切です。

「高い=すぐ薬」ではありません

コレステロールが高いと言われても、いきなり薬とは限りません。まずは、今日からできる生活習慣の見直しが基本です。

  • 食事:肉の脂身や加工肉(飽和脂肪酸)を控え、魚・大豆・野菜・食物繊維を意識する
  • 運動:有酸素運動を取り入れ、日常の活動量を増やす
  • 体重管理:根源となる内臓脂肪を減らす
  • 禁煙:たばこは血管を直接傷つける最大の敵
  • 飲酒:適量を守り、休肝日を設ける

一方で、生活改善をしてもリスクが高い方には薬が必要になることもあります。判断は、LDL-Cの高さだけでなく、心筋梗塞・狭心症の既往、糖尿病、慢性腎臓病、高血圧、喫煙、家族歴、年齢などを含めた「総合的なリスク」で行います。薬を飲む=病気が重い、ではありません。将来の心筋梗塞・脳梗塞を防ぐための「盾」として使うものです。

よくあるご質問

Q. 卵は食べてはいけない? — 卵黄にコレステロールは含まれますが、栄養価の高い食品です。食べ過ぎに注意すれば、1日1〜2個程度は問題ありません。

Q. 肉は一切だめ? — 大切なのは「脂の種類と量」。脂身や加工肉に偏らず、魚や大豆も組み合わせましょう。極端な制限は必要ありません。

血管を守ることが、未来の健康を守る

今日、覚えて帰っていただきたいのは3つです。①LDLが高い状態は動脈硬化に直結する、②動脈硬化は長年の積み重ねで進む、③食事・運動・体重管理と、必要なら薬で、将来の心筋梗塞・脳梗塞は予防できる——ということ。

コレステロールを下げること自体が目的ではありません。血管を守り、これからの健康を守ることが本当の目的です。健診で数値を指摘された方は、症状のないうちにぜひ一度ご相談ください

➡「生活習慣病について」 

次回・第7回もりの里健康講座のご案内

第7回もりの里健康講座は、2026年9月26日(土)13:30〜14:30の開催です。今回は消化器内科の山形光慶 院長より、『便秘診療の最前線 〜生活習慣から薬まで〜』をテーマにお話しいただきます。

毎日のことなのに、なかなか人に相談しづらい「便秘」。生活習慣でできる工夫から、最新のお薬による治療まで、専門医がわかりやすく解説します。気になる方はこの機会にぜひご参加ください。

  • 日時:2026年9月26日(土)13:30〜14:30
  • 会場:クローバー内科醫院(〒920-1167 金沢市もりの里1丁目212)
  • 参加費:無料
  • お申込み・お問合せ:☎ 076-204-9681(受付時間:平日9:00〜18:00/土曜9:00〜16:00)、またはWEBから ※火曜・日曜は休診のため、WEBでのご予約がおすすめです。

さらに第8回は10月24日(土)、『高血圧を放置しない!〜10年後の血管を守る方法〜』を予定しています。あわせてお楽しみに。

主催:株式会社トモコ・メディカル・エージェンシー/後援:NPO法人ナチュラル・ヴィレッジ

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