今年はインフルエンザの流行が例年に比べて早い時期に起きてきています。
改めてインフルエンザワクチンについてまとめてみました🍀
当院の診療は内科診療は15歳から、かぜ外来は10歳からとさせて頂いておりますが、インフルエンザワクチン接種について、フルミストは2歳から、注射は3歳から受け付けております。
予防接種の目的
インフルエンザは、毎年秋から冬にかけて流行する代表的な感染症です。
多くの場合は1週間程度で回復しますが、高齢の方や基礎疾患のある方、小さなお子さんなどでは、肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症につながることがあります。
インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐものではありませんが、発症する可能性を低下させ、特に重症化を予防することが大きな目的です。厚生労働省も、インフルエンザワクチンには発症を一定程度抑える効果と、重症化を予防する効果があるとしています。
2026/27シーズンの国内のインフルエンザワクチンは、A(H1N1)型、A(H3N2)型、B型(ビクトリア系統)を含む3価ワクチンとなっています。ワクチンに使用する株は、そのシーズンに流行すると予測されるウイルスをもとに毎年検討されています。
接種できる年齢と接種回数
現在国内では、注射による「不活化インフルエンザHAワクチン」と、鼻から投与する弱毒生ワクチン「フルミスト」が使用されています。
注射タイプのインフルエンザワクチンは生後6か月から接種できます。一方、フルミストは2歳以上19歳未満が対象です。
注射タイプの標準的な接種量・回数は以下の通りです。
| 年齢 | 1回の接種量 | 接種回数 |
|---|---|---|
| 生後6か月~3歳未満 | 0.25mL | 2回 |
| 3歳~13歳未満 | 0.5mL | 2回 |
| 13歳以上 | 0.5mL | 原則1回 |
| フルミスト(2歳以上19未満) | 0.2mLを経鼻投与 | 1回 |
13歳未満では、1回接種後よりも2回接種後のほうが高い抗体価が得られるため、日本では2回接種が基本となっています。
一方で「これまでに複数回ワクチンを受けたことのあるお子さんでは、1回の接種でも十分な免疫が得られることが研究で明らかになっています。
そのため、「確実に備えたい」「試験や大会を控えている」などの場合では 2回接種がおすすめ、「すでに接種歴がある」「副反応の負担を減らしたい」場合は 1回接種でも十分と考えられます。
なお、副反応の内容や発生頻度は、1回接種と2回接種で大きな差はないとされています。
2回接種する場合は2~4週間程度の間隔をあけ、免疫効果の観点からは4週間程度あけることが望ましいとされています。
13歳以上については添付文書上2回接種も可能ですが、健康な成人や慢性疾患のある成人では、1回接種でも2回接種と同程度の抗体価上昇が得られるとの報告があり、通常は1シーズン1回の接種となります。
インフルエンザウイルスは毎年少しずつ変化し、ワクチンによる免疫も時間とともに低下するため、基本的には毎シーズン接種するワクチンと考えます。
接種後の抗体と効果が続く期間
インフルエンザワクチンを接種しても、その翌日から十分な免疫が得られるわけではありません。
一般的には、接種後約2週間かけて免疫が形成されると考えられています。厚生労働省では、季節性インフルエンザワクチンについて、接種約2週間後から5か月程度が予防効果を期待できる期間の一つの目安とされています。
ただし、5か月間ずっと同じ強さの効果が続くわけではありません。
接種後に上昇した抗体は時間の経過とともに徐々に低下します。また、年齢、過去の感染歴やワクチン接種歴、流行しているウイルスとワクチン株の一致度などによっても実際の予防効果は変わります。
このため、流行開始のかなり前に接種すればするほど良い、というわけでもありません。
インフルエンザワクチンの副反応
ワクチンの場合、一般的な薬の「副作用」に相当する反応を副反応と呼びます。
注射タイプのインフルエンザワクチンでは、接種した場所の痛み、赤み、腫れなどが最も多くみられます。
厚生労働省によると、こうした局所反応は接種した方の10~20%程度にみられ、多くは2~3日で自然に改善します。
発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などの全身反応は5~10%程度にみられ、こちらも通常は2~3日で改善します。
非常にまれですが、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応が起こることがあります。呼吸困難、全身のじんましん、急激な体調変化などがみられた場合には、速やかな対応が必要です。
フルミストについて
フルミストは、鼻の中にワクチンを噴霧する経鼻弱毒生インフルエンザワクチンです。
国内では2024/25シーズンから実際の接種が開始され、対象年齢は2歳以上19歳未満です。左右の鼻腔に噴霧し、接種は1シーズン1回です。
針を使用しないことは大きな特徴ですが、生ワクチンであるため、年齢や基礎疾患などによって使用できない場合があります。
また、注射がないから副反応がないわけではありません。
フルミストでは、鼻水や鼻づまり、咳、咽頭痛、頭痛、発熱などがみられることがあります。
特に鼻水・鼻づまりは比較的よくみられる副反応です。最新の添付文書や接種時点での健康状態を確認したうえで使用する必要があります。
接種時期について
日本ではインフルエンザは例年12月から3月頃に流行することが多く、従来は10月から12月中旬頃までの接種が一つの目安とされてきました。
ただし、近年は従来より早い時期から流行が始まる年もあり、流行時期は必ずしも一定ではありません。
ワクチン接種から十分な免疫が形成されるまで約2週間必要であること、13歳未満では2回接種が必要であること、接種後の免疫は時間とともに低下していくことを考慮して、それぞれの年齢や生活環境に合わせて接種時期を決めることが大切です。
インフルエンザワクチンは、感染を完全に防ぐためのものではありません。
一方で、発症する可能性を低下させ、特に重症化を予防するという点で、インフルエンザ対策の重要な選択肢です。
年齢や基礎疾患、これまでの接種歴などによって適した接種方法が異なる場合があります。
接種について気になることがございましたら、診察時にお気軽にご相談ください。
